2019年3月21日木曜日

03_東京カテドラル聖マリア大聖堂


初めて見るその姿には存在感、力強さ、たくましさ、そしてエネルギッシュなパワーに圧倒されました。
昨年(2007年)、大改修工事が行なわれてリニューアルしたとはいえ、これが40年以上も前に建てられた建物かと思うと世界の丹下が遺した建築は偉大である。



この建物は計8枚の互いに支持し合ったRC造のHP(ハイパーポリック・パラポロイダル=双曲放物面的)シェル構造で地下にはそれらをつなぐタイビームが設けられている。
平面的に上から見ると十字形をしており、その部分がトップライトとなって、天井から十字の光がふりそそぐようになっている。
内部空間は荒々しいコンクリートの打ち放しで、天井が高く教会としての崇高な空間を現代の技術とデザインで見事に昇華している。残響時間にも苦労したようだが、次回は日本最大というパイプオルガンの生音をぜひ聞いてみたいところだ。



この東京カテドラルは都市的スケールを持ったシンボリックな建物である。国立代々木競技場や広島ピースセンターもそうだ。そして都庁も。
時代というのもあったかもしれないが、都市の中でこの建築が存在することを表現するとこうだろうという感じで、現代の建築には感じられない圧倒的な存在感は良い意味で都市にインパクトを与えている様に感じた。そしてこれから先何十年とその姿は東京という都市の中で生き続けていくに違いない。
残念ながら内部は撮影禁止だったので、写真はありませんが、ぜひ1度その内部空間を体験しに足を運ばれてみてはいかがでしょうか。


設計者:丹下健三
竣工:1964年
所在地:東京都文京区
撮影日:2008年3月27日

2008年4月2日付 デザインスタジオバオバブのスクラップブックより転記再掲




0 件のコメント:

コメントを投稿